甘草

このページでは、甘草の効能について調べています。

甘草

甘草の特徴や効能を調査!

甘草とはカンゾウ属に属するマメ科の植物の総称です。薬用植物であることは世界的に認知されており、漢方の世界はもちろん、基礎化粧品などにも積極的に配合されています。

カンゾウの背丈は4050センチほどですが、根茎の大きさは12メートルにも及びます。有効成分が含まれているのはこの根で、地中から掘り上げたものからエキスを抽出します。

中国からの原料輸入に頼っているのが現状のため、国内で自生する姿を見かけることはあまりありませんが、近年は「日本の製薬会社が国内での栽培研究に取り組み、成果を上げている」というニュースも報じられています。

野草名 甘草
学術名 Glycyrrhiza
生育地 中国、ロシア、イラン、パキスタンなど
形態 多年草
その他の特徴 甘草の名前通り、根茎には砂糖の50倍にも及ぶ甘味があり、なおかつ低カロリーなことから、お菓子やリキュールの原料として使用されることもあります。

その効能・効果

甘草の効果は、諸々の急迫症状を緩和する、ことに集約されます。例えば喉の痛みや胃痛、そして全身の疼痛など、筋肉の急激な収縮に伴う痛みを和らげるのに役立ってくれるのです。

この働きは美容の世界でも役立てられており、ニキビや肌荒れなどの症状緩和、そしてシワやたるみなどのエイジング現象を改善する効能が期待されています。

出典元:タケダ健康サイト http://takeda-kenko.jp/kenkolife/
encyclopedia/illustrated/kanzou.html
フェイスマスク研究所 http://lululun.com/labo/

「老人性皮膚癌痒症に対する当帰飲子の内服と甘草抽出エキス配合入浴剤の併用効果」より

甘草が持っている肌への働きについて調べた研究があります。

研究の中では、特別老人ホームに入所している方のうち、老人性乾皮症に伴う老人性皮膚癌痒症がある方を退社にした調査が行なわれました。

実験の内容としては、老人性乾皮症に対して治療効果が期待される当帰飲子の内服を行なうグループAと、甘草抽出エキス配合入浴剤を入れたお風呂に入浴するグループB、グループAとグループBの両方を併用する治療を行なうグループC、それから治療を行なわないグループDの4グループにわけ、それぞれの結果を確認するものです。

A~Cのグループではそれぞれ28日間治療を行ない、治療をしなかったグループDとはどのような変化が出るのかを調べました。その結果は、A~Cの治療では3~4週間後に角層水分保持能力がグループDに比べて3~5倍に上昇したのです。

これは、甘草を取り入れることによって肌の水分量がアップしたことを示しています。

ただ、28日目で治療を中止し、その後7日経つと甘草抽出エキス配合入浴剤を入れたお風呂に入浴するグループBは、治療を行なわなかったグループDとほぼ同じ数値に戻りました。

このことから、従来の治療法だけでなく、甘草の成分も老人性乾皮症の改善に効果的だといえるでしょう。

参考:(PDF)日本東洋医学雑誌第47巻第1号35-41,1996:老人性皮膚癌痒症に対する当帰飲子の内服と甘草抽出エキス配合入浴剤の併用効果[PDF]

「Effect of licorice on the reduction of body fat mass in healthy subjects.」より

甘草が持っている体脂肪量を減らす働きについて調べた研究があります。この研究の中では、1日当たり3.5gの甘草を2ヶ月間摂取し、どのような変化が見られるのかを調べました。

その結果、BMIの変化はありませんでしたが、体脂肪量が減少するとの結果になったのです。更に、血漿レニン活性ならびにアルドステロン活性が低下していたのも特徴だといえるでしょう。

この結果を受け、肝臓は脂肪細胞に作用することがわかります。働きとしては脂肪代謝関連酵素を阻害することによって体脂肪が蓄積するのを防げる成分だといえるでしょう。

参考: Effect of licorice on the reduction of body fat mass in healthy subjects.

※英文・参照元サイト名詳細不明

多過ぎる体脂肪は病気のリスクを上げるため、十分に注意しておかなければなりません。男性の場合は体脂肪率が20%以上になると軽度の肥満、30%以上で重度肥満です。 女性は男性よりも体脂肪率が高い関係もあり、30%以上で軽度肥満、40%以上になると重度肥満と判断されます。

体脂肪率が高い場合は、そのまま放置するのではなく、早めに対策を取ることが重要だといえるでしょう。運動をしたり、食事内容に注意するなどして、多過ぎる体脂肪量を減らせるように工夫してみてはどうでしょうか。

「Aqueous extracts and polysaccharides from liquorice roots (Glycyrrhiza glabra L.) inhibit adhesion of Helicobacter pylori to human gastric mucosa.」より

甘草の根から抽出された成分がヘリコバクターピロリ菌から胃を守ってくれる働きがあることを調べた研究があります。実験の中では、ヒト胃壁組織に対し、1mg/mLの甘草水抽出物を投与し、どのような変化があるのかを調べました。

その結果、ヘリコバクターピロリ菌が胃組織へ付着するのを優位に抑制することができ、甘草の根から抽出された成分および多糖は強力な抗癒着システムであることが判明したのです。

参考: Aqueous extracts and polysaccharides from liquorice roots (Glycyrrhiza glabra L.) inhibit adhesion of Helicobacter pylori to human gastric mucosa.

※英文・参照元サイト名詳細不明

ヘリコバクターピロリ菌とは何か?というと、多くの人が子どもの頃に感染すると言われている菌で胃に炎症を起こす非常に厄介なものです。

「ピロリ菌」という名称で広く知られていますが、多くの方は自分が感染していても自覚症状がありません。

しかし、炎症が起きてそれを放置していると慢性胃炎の状態になってしまい、胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎に繋がる恐れがあるのです。この状態になると十分に胃液が分泌されなくなるために消化不良にも繋がります。

できるだけピロリ菌の影響を抑えたいと考えている方にとっても、肝臓の持っている働きは見逃せないといえるでしょう。

「Treatment of functional dyspepsia with a herbal preparation. A double-blind, randomized, placebo-controlled, multicenter trial.」より

消化不良の患者に甘草などの抽出物を摂取させたところ、症状が改善したという研究があります。

この研究の中では、機能性消化不良患者に対し、肝臓を含む抽出物を摂取してもらったところ、偽薬を使ったプラセボ実験に比べて有意に機能性消化不良が改善したという結果になりました。

参考: Treatment of functional dyspepsia with a herbal preparation. A double-blind, randomized, placebo-controlled, multicenter trial.

※英文・参照元サイト名詳細不明

消化不良といえば、食べたものがきちんと消化できていない状態です。慢性的な胃もたれを感じたり、胸焼けなどの症状が起きてしまうのですが、こういったものが続くと一日中気持ちの悪さを感じてしまうこともあります。

急性胃炎や慢性鼻炎、他にもいろいろな原因は考えられますが、食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレス、カフェインの取り過ぎなどが原因となっているケースも多く、その原因は非常にさまざまです。

原因の特定が難しい場合もある消化不良にも甘草が役立つのは嬉しいですね。

甘草に含まれる主な成分

甘草には、以下のような成分が含まれています。それぞれの働きについて紹介していきましょう。

グリチルリチン

トリテルペノイド系のサポニンで、美容業界では「グリチルリチン酸2k」の表示名で有名。強い抗炎症/抗アレルギー作用を持ち、身体の痛みや肌荒れの緩和に役立ってくれます。

また線維芽細胞を増殖させる作用もあるため、肌へ弾力をもたらすコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成を促進します。

フラボノイド

ポリフェノールの一種で、植物色素の総称。甘草にはソフラボン、リキルチン、イソリキルチン、そしてフォルモネチンなどが含まれています。抗酸化作用に優れるほか、ストレスの緩和や免疫力アップに貢献してくれるでしょう。

管理人と甘草

実は私も勘違いしていたのですが、カンゾウという字を見て、野萱草を撮影していまいました。マメ科とユリ科でまったく関係のない野草です。生薬として用いられるのは、マメ科のウラルカンゾウ。野萱草は酢味噌で食べると美味しいユリ科。食い意地が勝って、ユリ科のカンゾウを採取するとは恥ずかしい話です。ウラルカンゾウは日本には自生しておりませんので、薬用植物園などで観察しましょう。